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浦野理一さんの糸の力
このブルーの格子の紬は私が10代の頃、お正月のお客様をもてなす母を手伝う
際に着ていた普段きものです。
色味は落ち着いていながら、袂の丸みもちょっと大きめで、格子の愛らしさと当時の若々しさが感じられますでしょ。
そんな思い出深い一枚を、今の気分で装うためにチョイスした帯は、浦野理一さんの経
節紬の帯です。
ご子息の範雄さんが創意工夫の末にたどり着いた経糸だそうで、無地一色の中で節糸のブツブツが肥沃な大地を思わせるような、温もりと深みを漂わせるんです!
お太鼓の裏側は、ワントーン明るい別染めになっていて、この一手間がすごぶるお洒落。
まさに、後ろ姿のチラ見えの美学なんです。
帯留めにしているのは、インドの手仕事の布を扱っている「kocari(コカリ)」で出会った、フェルトにビーズをデザインしたフォークロアなブローチ。
これを見つけた時に、今回のコーディネートがピピッと瞬時に閃いたほど。
長い間眠っていた10代の頃の紬が、あっという間に今どきのワンマイルコーデになりま
した。
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